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当記事では、製缶板金加工と溶接についてご紹介します。
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製缶板金加工の溶接の種類
まずは、製缶板金加工における溶接の種類についてご説明します。
MAG溶接
MAG溶接とは、混合ガスを使用し、主に鉄系の溶接をする際に用いる方法です。ガス溶接と比べ、スパッタが少なく仕上がります。溶接速度が速く、溶け込みも良く出来ます。また、ワイヤー供給のため連続溶接ができるため、効率的に溶接を行えます。
TIG溶接
タングステンの棒に電流を流して、高温のアークを発生させ、その熱によって材料を溶かしてくっつける方法です。溶接の見た目がきれいで、細かい部分の溶接に適しています。ステンレスやアルミの溶接に最適で、もちろん鉄の溶接も可能です
ガス溶接
ガス溶接は、アセチレンや水素などのガスが燃える熱を利用して溶接を行います。アセチレンや水素は可燃性ガスであり、爆発や火災の危険性があるため、特定の国家資格がないと作業が行えません。
溶接工程を含む製缶板金加工品の製造工程
製缶溶接では、製品が大型かつ厚物で、構造も複雑になることがあります。そのため、板厚の大きい板材を切断できる設備が必要になります。また、製品が大きくなるほど、精度が悪いと誤差が大きくなり、製品として完成しないので、機械加工による高精度な加工も求められます。大型品の溶接は、修正が困難なので、溶接加工前に機械加工を施すことで、溶接の精度も向上させることができます。
製缶板金加工を溶接する際に発生しやすい不良
製缶板金加工を溶接する際に、発生しやすい不良として以下があります。
歪み
溶接する際の熱により金属が膨張した後、冷えて収縮することで発生します。その変化の度合いが溶接箇所ごとに異なるため、溶接した製品がフラットな状態からいびつな形になります。
割れ
溶接金属の表面に溶接直後に発生するひび割れのことを言います。溶けた金属が凝固するときに収縮ひずみに耐え切れない場合に生じます。
溶け込み不良
溶接金属がルート面に達しなく、開先の一部がそのまま残ったものを溶込不良といいます。溶接電流が低いか溶接速度が速すぎる場合、開先の角度が狭い場合に生じやすくなります。
ブローホール
溶着金属の中に発生する球状の空洞のことです。多くの酸素、水素、窒素などのガスを吸収し、それらのガスが表面に浮き上がる前に凝固することによってできます。
製缶板金加工品を溶接する際のポイント
製缶溶接で重要なポイントは、歪みへの対策です。立体的で大型な製品を製作するには、溶接量や溶接箇所も多くなり、歪みが出ることが多くなります。歪みをできるだけ小さくし、精度内に収めるためには、以下の方法で歪みを防止します。
設計段階での変更
歪みが大きく出そうな製品に関しては、図面を入手した際に品質を担保した中で、全周溶接からピッチ溶接への変更や部分ごとの溶接量調整などで歪みを最小限に抑えます。この段階でコストダウンにつなげる提案をすることも可能です。
治具の使用
溶接を行うことで歪みが出ることを計算して、治具によってあらかじめ製品をそらしておきます。そうすることで、歪みが出たとしても公差内に収めることができます。治具を製作することで、リピート品を効率よく製作することもできます。
熱入りの調整
溶接した部分から最も温度が低い部分（遠い位置にある部分）を溶接する交互法や溶接する部分を一個飛ばしで溶接する飛石法などを用いて、溶接部分の加熱を抑えます。熱が集中することで歪みが大きくなるので、熱を分散されることで歪みを最小限に抑えます。また、連続して溶接をすると溶接箇所の熱が蓄積していくので、熱が冷めるのを待ってから、次の溶接を行うことも一つの方法です。
製缶板金加工＋溶接加工の事例
製品分類：産業機械制御装置架台
業界：産業機械
素材：SS400
サイズ：L2500×W950×H550
精度：溶接歪無き事 ±1.0mm
工程：溶接・塗装・組立
この 架台 は50mm×50mm角パイプを使用して溶接組立を行った架台部品になります。この架台は歪に対する公差が±1.0mmになります。専用の治具を製作して溶接歪が軽減出来る様、加工を行っています。次に溶接組立を行う際はパイプ同士の接する面に開先加工を行い、より強固な溶接加工を行っています。開先加工は溶け込みを確保出来、部材同士の溶け込み面積を十分に確保出来るので溶接強度アップが可能となります。
当社では、抜き加工から曲げ、溶接、塗装、組立、機械加工まで社内一貫加工を行っています。
又、大型架台などの焼付塗装も対応しておりますので、加工方法、加工手順の見直し、工数削減でコストダウンなども含めたご提案させて頂きます。
製缶板金加工は当社にお任せください！
今回の記事では、製缶板金加工と溶接についてご説明させて頂きました。
当社は、製缶板金加工事例を多くもちます。大手メーカーをはじめとして、多様な業界の板金サプライヤーとして選ばれ続けています。製缶板金加工にお悩みをお持ちの皆様、委託先をご検討中の皆様、お気軽に当社に御相談ください。
