今回は、大型機械加工について説明させて頂きます。当社では、製缶加工含めた大型機械加工品の製作を得意としていますので、委託先をご検討中の皆様、お気軽にご相談ください。
大型機械加工に用いられる設備
大型機械加工を行う上では、以下のような設備が用いられます。
門型五面加工機
門型五面加工機は、上面と4方向の側面を1台で加工ができるNC工作機械のことです。また門型構造により大型製品の切削に適しており、テーブルの大きさにより10mを超える製品の加工も可能です。5面から加工ができるので、加工物の向きを変えたり、動かしたりする必要もありません。そのため、大型で複雑な加工が必要とされるものも加工でき、精度の高い加工が可能です。
マシニングセンタ
マシニングセンタは、コンピューターの制御により工具を自動的に交換でき、穴あけ、中ぐり、フライス加工を1台でできる機械です。機械の段取り替えがなく、プラグラムをしておけば、自動で加工ができます。5軸のマシニングセンタであれば、曲線の加工も可能であり、精密部品の加工ができます。
旋盤
旋盤は、切削工具に加工したい素材を回転させることで加工を行います。手動で操作を行う汎用型やNC装置付きのもの、主軸の向きが違うなど加工するものによって複数の種類があります。フライス加工ができる旋盤複合機もあります。
大型旋盤加工と大型マシニング加工
大型機械加工の分類は様々ですが、大型旋盤加工、大型マシニング加工に分類ができます。
大型旋盤加工
大型品は、多くの場合は立旋盤で加工します。大型の旋盤加工となると、通常よく使われる横型の旋盤では、重量物がうまく固定できないことがあります。加工物自体の重さが相当あるので、ワークが安定しません。立旋盤であれば加工物を台に置くため、重量の影響を受けず加工できます。
大型マシニング加工
大型のマシニング加工は、多種多様な製品に使われますが、自動車関係や船舶などの部品、アルミや鋳物の加工にも使用されます。大型品の場合、サイズが大きい分、段取り作業に時間を要します。重量のあるものであれば、セットや向きを変えるのも容易ではありませんが、より精度の高い加工ができます。
大型機械加工と関連する工法
大物の金属加工品は、機械加工だけでなく製缶板金加工を含めた多様な工程を通り製造されます。
製缶板金加工
大型の製缶板金品に対して機械加工を行う場合は、立体構造物で公差があるものになりますが、削る部分は少ない場合が多いです。製缶板金加工で形成をした後に表面を削ったり、穴あけを行ったりする二次加工で用いられます。
ワイヤ放電加工
ワイヤ放電加工は、加工物を貫通してから削っていきます。精密機械の加工で用いられますが、大型品の加工自体にはあまり利用されません。門型五面加工機やマシニングなどに比べ、サイズは小さいので、加工できるワークに制約があります。
溶接
大型で機械加工が必要な製品に対して溶接を行う際、精度の高い穴あけなどは溶接後に行わないと歪みによって寸法がずれてしまいます。ただ、溶接前に機械加工によって前作業をしておくことで、溶接作業をスムーズにできるようにし、再度機械加工にてしっかりと寸法を出す方法もあります。
塗装
製品が大型になるとそれに対応した塗装ブースなど大型設備が必要になります。吹付塗装を行う場合は、塗る面積も増えることから、色ムラやタレなどに気を付けなければいけません。膜厚を均一に塗るには職人の技術が必要になります。
当社の大型機械加工
当社では、大型の製缶板金加工の他、門型五面加工機を用いた大型機械加工の対応が可能です。産業機器用のベース・フレームや架台、定盤までの納品実績があり、最大L2500mm×W8000mm×H1500mmの大型機械加工品を提供します。
門型五面加工機を用いた大型機械加工の他、製缶板金加工から溶接加工、塗装まで一貫対応が可能であり、当社にお声かけ頂けましたら、外注管理工数を削減し、最終製品に最大限近い大物製品の提供をさせて頂きます。
当社が対応できる加工品例
当社では、協力会社様とともに以下のような加工を行います。是非お気軽にご相談ください。
工作機械用ベースフレーム
業界 :工作機械用
素材 :SS
サイズ :1500×6000
精度 :3/100(平面度)
工程 :レーザ加工、溶接、門型
■産業機械用ベースフレーム
業界 :鉄鋼
素材 :SS
サイズ :2000×7000
精度 :5/100 (平面度)
工程 :レーザ加工、溶接、門型